最終章 導かれし者たち・・・

2018年6月、長年連れ添ったベース「恭平」と別れたα-sense's。

まこと(真)さんは、いつもの如く飲んだくれと化し、夜な夜な横浜の歓楽街「野毛」でカシスオレンジを浴びるほど飲む毎日。
いつもの居酒屋で、もはや音楽など捨てようと思い立っていたその時、一人のコワモテの男が店に入ってきた。
「金返さんかいゴルァ!」
ついに来た!アイツだ!酒に溺れるあまり、有料サイトの支払いを忘れていたまことさん。
取り立て屋だ。その風貌は黒ずくめにサングラス。某帝〇グループの男のようだった。
隣の席に座ったその男は、おもむろに「オドレはいつになったら金返すんじゃボケェ!」と胸倉を掴む。
「すいません、バンドが売れるまであと10年待ってもらえませんか?」
あまりにも無計画な返済プランにその男は「なんならそのギター、担保としてもらってってもええんじゃ!」と激高するが
ひと時の間の後、静かに口を開いた。
「、、、って貴様、バンドやっとるんか?」
急に少年のような目がサングラスの奥で輝いている。まことさんは恐る恐る問いただす。
「え?木村さん、バンド興味あるんですか?」
どうやらこの男は木村というらしい。半ば食い気味に
「俺も今でも夢は諦めきれんでのう。音楽には嘘つけんよ。。。そもそも最近のミクスチャーブームなんぞな。。。」
そこからというもの、音楽論に花を咲かせた二人。木村から信じられない言葉が飛び出した。
「お前の夢、俺が担保として預かったるわ。」
耳を疑った。
「アルファの低音はワシが支えちゃる、今日からワシの名は”SATOSHI”じゃ!」
まことさんには願ったり叶ったりの条件だった!!ベース不在で活動休止している今、これに乗らない手はない。
なんなら、借金もこの男がいる間は何とかしてもらえる!
他のメンバーの返事も待たずあっさり了承したまことさん。
後日メンバーを呼び出し、何とか説得することに成功。顔合わせで他メンバーはあまりの風貌に驚きを隠せなかったが
逆に面白いので加入を了承。

ここに、新しいα-sense'sが誕生した。。。

 


新ベース「SATOSHI」加入